合格体験記(2007/K.H.)

【入学年度】2007年
【年齢】37歳
【職歴】外資系IT企業 13年
【私費/派遣】私費(休職)
【最終学歴】京都大学理学部 物理学教室 修士
【国外経験】出張で3ヶ月の滞在が最長。その他旅行のみ
■準備開始時期
ビジネススクール(BS)というものの存在を初めて知り、興味を持ったのは 2003年後半でした。それまでは IT企業の研究開発部門で働いていましたので BS とは無縁の生活でした。興味を持ち始めたのは新しいビジネスを開発できるようになるためにはもっと多くのことを学ばなければいけないと感じ始めたためです。しかしちょうど 2003年末から新製品開発の新しいプロジェクトに参加しそれまでにないほど多忙になったこと、BS でこの年齢の自分が学ぶことに現実的なメリットがあるのか判断がつきにくかったこと、などのためすぐに BS 受験を決定したわけではありませんでした。プロジェクトで充分以上と満足できる結果を出し、プロジェクトを離れてもよいタイミングを検討し、TOEFL/GMAT も受験して結果を出し、BS 受験を決めたのは 2006 年に入ってからです。
■Why Cambridge?
私の場合、インターネット企業、あるいは広い意味でテクノロジー志向の企業で新規ビジネスの開発を担当する、さらにはチャンスがあれば仲間と一緒に起業したい、といったことを BS 後のキャリアプランとしています。
このため
・テクノロジー志向の企業との結びつきが強い
・アントレにも強い
ということが自分にとって変わることのなかったスクール選択基準です。
これに追加して次のようなことも考慮していました:
・年齢の高い自分にとって、短期間で勉強を済ませてビジネスの世界に戻れるプログラムのほうが好都合 (これについては、多くのことを学び経験するためには1年間では忙しすぎるかも、という考えも否定しきれませんが。)
・2年分の年収を失うことと1年分を失うこととを比べると後者のほうが圧倒的に有利
・できるだけ実践的な勉強の機会が欲しい
・本音で言って、その名前が全ての業界や世界中の人々に良く知られていて一目を置かれるような大学で勉強できるほうが嬉しい。(BS 卒業者の多くは金融やコンサルティングといった業界に進みますが、自分の場合その可能性が高くないこともこのことと関係しています。)
・BS 以外の学部の人々とも知り合える可能性が欲しい。(例えば IT, ライフサイエンス、エネルギー、材料などに今後も新規ビジネスの可能性は多くあるのでしょうし、自分の場合は教育にも興味がある。)
以上の条件を考え、Judge BS, University of Cambridge を自分にとってベストスクールの一つとして意識するようになりました。 (このため自分の場合は特に UK とかヨーロッパの学校であることを意識していたわけではありません。)
なお、金融やコンサル業界への就職を考えている人にとってロンドンまで1時間程度(かつ生活費がロンドンに比べれば reasonable)という立地は魅力的でしょうし、ヨーロッパに興味がある人にとってこれまた1時間以内にある空港からヨーロッパ各地に行けることも魅力的だと思います。 米国における BS のランキングにおいても Cambridge 大学の名声と Judge が若いスクールであることを考えれば、今後大いにランクアップしていくだろうと期待しています。
■TOEFL対策
2003年後半に試しで最初の受験をし、253点(CBT)だったと記憶しています。まず手始めにスコアを上げるため structure から勉強をしました。次の参考書は良かったと思います:
  TOEFL TEST英文法徹底対策  林 功  ベレ出版
私の場合はこの参考書と PowerPrep の問題を勉強してからは structure で満点を取れるケースも出てきました。この参考書の長所として接続詞、,(comma), ;(semi-colon), :(colon) などの GMAT SC でも重要なポイントについての考え方が書かれていたことも追記したいと思います。おかげで文中の parallelism に注目するという GMAT SC に重要な考え方のひとつを得られたと思っています。
Listening については TOEFL で扱われる話題(学生生活および大学教養コース程度の講義)を聞き取れるようにならねばと考えました。
良かったと思った教材は Delta の CD-ROM と、やはり PowerPrep と ETS による preparation kit です。
  Delta’s Key to the TOEFL Test
大学教養コース程度の講義に対応するという意味では、単語の勉強をしたことに効果があったかもしれません。次の教材がなかなかの内容だったと思います:
  TOEFL TEST対策分野別単語&イディオム集  高木 義人  テイエス企画
最終的に Listening では 28点程度を取れるようになったと思います。
Reading についてはあまり対策を取れませんでした。時間は余るのに満点を取れないということが続いたため PowerPrep や ETS による preparation kit を使ってどのような間違いを自分がしているのか分析が必要と感じていました。 が、そこまで手がまわりませんでした。
結果的には Listening のところでも書いた単語の勉強をしたこと、GMAT の verbal の勉強をしたこと、の効果があったのかもしれません。 最後に受験したときには正解と思う選択肢を選ぶだけでなく、その他の選択肢が間違いであることも確認するように意識しました。 このときは 30点を取れています。
Writing は一番苦手意識が残りました。日本人の典型で英語情報の受信はともかく発信が苦手ということがあるでしょうし、例えば「大きな組織と小さな組織で働く場合、どちらをあなたは好むか?」などという質問があった場合、そんなのケース・バイ・ケースでしょ(苦笑)と心の中で思ってしまい、どうも割り切れない自分の性格のせいもあったかもしれません。(この点については某予備校の無料セミナーで「書きやすい方を選んで書きなさい」というアドバイスを聞き、私にとっては目から鱗でした。 上手く実践できたかは別の話題ですが。)
結局はテンプレートを用意し、何パターンかを練習するのが最も一般的な対策なのだろうと思います。
■GMAT対策
最重要な対策は ETS が出している Official Guide (OG) を勉強することに尽きる、と私は感じています。(Math で 51 を取りたい場合を除いて。)少しだけ付け足すと、普段からその問題にかかった時間を意識して勉強することも重要だと思います。
2004年中頃に OG の SC と math の問題を一通り試しに解いて勉強し、最初の受験で 690 (V34, math49)でした。もっとも、これで少し油断してしまい、その後充分準備しないまま、かつ仕事が多忙でコンディションを整えられないまま受験してひどいスコアを何度か取ってしまったことは反省点です。
Math について私の場合は 49 が最高点のままでした。日本の大学の理系を受験している人なら、特に再勉強をしなくても OG の math の問題は一通り解けると思います。そうでなくても OG にある最初の説明と各問題ごとの説明を勉強すれば 40後半のスコアを取れるようになるのではないでしょうか。
さらに一工夫するなら各問題ごとに短時間で解答を得るテクニックや、難易度の高めの問題への対策を研究していくことだと思います。これについては受験仲間と検討するなり、そのような観点で説明されている参考書や先生を web や受験仲間との情報交換の中で探していくことになると思います。 私自身、短時間で解くテクニックが足りなかったことと、たまに遭遇するわけの良く分からない問題のせいで全問自信を持って解けたということがありませんでした。51を取るにはその辺が課題だと思っています。
Verbal については多くの日本人受験生が苦労するように私も苦労しました。 ただ今になって単純に考えると、SC を OG で勉強して正答率を可能な限り高くする + TOEFL の reading と同じ方法で単語力を向上させる + RC や CR で設問とその回答選択肢によく使われる表現・パターン・単語を、OG を使って前もって勉強しておく といった基本的対策に徹することが大事なように感じます。
自分の場合は年末年始が唯一といってよい仕事が多忙でない時期であるため、2005-2006 の年末年始に集中して SC を再勉強し、正月明けに受験して 720 (V41, math48) という結果を出しました。 700 を目安としていたし、GMAT の場合は過去5回分か5年分だったかの全結果を学校に送られてしまうので、これで勉強を切り上げています。
ちなみに AWA については TOEFL の writing と同様ですが、TOEFL 以上に分量を多く書かないとスコアが上がらないように感じましたのでその意味でもテンプレートは重要かと思います。
■Essay対策
2006年に入って BS を受験することを決めてからは、幾つかの予備校やエッセイアドバイザーの話を聞き始めました。高い予算が必要なところは敬遠し、email を中心にやり取りが出来て小回りのきくサービスが期待できそうなところに絞っていきました。更にアドバイザーとの相性を見るため何度か低料金のイベント等に参加していきました。
もともと自分としてはエッセイは出来るだけ自分で何パターンか書き、あとはアドバイスを貰いつつ修正していきたいと考えていました。しかし、仕事のスケジュール変更の影響を大きく受け、ちょうど8月後半から11月中旬まで大変多忙となってしまい、ほとんど準備ができないという状況になっていました。 この状況を見かねたのか Aセミナーの A先生から声をかけていただき、以後は A先生からのサポートを受けながらの作業となりました。(12月下旬から 1月末までの期間を除く。この期間は出願ピーク時期で A先生が超多忙なためです。 早めに、多分 2006年の夏が過ぎる頃までに、A先生にメインアドバイザーになってもらっていなかったのは失敗でした。)
今にして思うと、その年のエッセイ課題が出るのを待つことなく典型的な課題や志望校の前年の課題に対してエッセイを書いておくとか、とにかく早め早めの対策が必要でした。 また、personal history のようなものを詳細に作成しそれをエッセイアドバイザーによく理解しておいてもらえば、その後の作業を効率よく行なえたかもしれません。 自分の場合は作っていたものの、11月下旬からではアドバイザーの方にそのようなものを見る余裕は無くなってしまっていたものと思います。
なお、高い予算のところは敬遠したと書きましたが、時間制で対応してくれる個人アドバイザーであっても BS への出願ピーク時期(12月から1月) に添削サービスを頼んでいくと結局高い料金が発生してしまいますので、妥当な判断ではなかったかもしれません。 個人的な経験で言えば早めの対策を促してくれるようなサービスが自分にとっては一番必要だったように思います。 何パターンでもよいのでとにかく多く書く → 他人に見てもらう → 分かりにくい点などの指摘を貰う → 書き直す の繰り返しが必要だと思われます。
■推薦状対策
私の場合は A先生からアドバイスを貰いつつ自分でコンテンツを英語で準備し、それを出願用エッセイやレターを作成するサービスに出して形を整えてもらい、推薦者に見てもらって確認を取る、という作業を行いました。推薦状もエッセイ同様に労力を要する作業ですので、早めの準備が大事かと思います。特に Judge の場合はエッセイで指定された語数が比較的に少なかったため、推薦状の重要度が相対的に高いのではないかと感じられました。 自分によるエッセイ、supervisor による推薦状、そして peer による推薦状の3つを総合してベストな出願用書類にまとめられるよう心掛けました。
■インタビュー対策
アプリカントの知り合いから声をかけてもらい、2006年の11月頃からアプリカントによる練習会に何度か参加させてもらっていました。 これは E塾というところでの知り合い中心の練習会で、1人が想定される質問への回答を話し他のアプリカント仲間がそれに対するフィードバックを伝えるというパターンで練習を繰り返しました。また、Aセミナーでも一度 native の先生からレッスンを受けています。そして後は出来るだけ想定される質問について自分から伝えたい内容を準備するように心掛けていきました。
■Why Cambridge? (Again)
最初にも書いている話題ですが、Essay およびインタビューにおいては「なぜ Judge が私のキャリアプランとフィットするのか」について説得力ある説明が必要となります。 ですので Essay作成やインタビュー準備の過程で(Web site や世間での評判以外の情報源も使って)確認しなおすことは多くなると思います。 私の場合は11月に来日した Simon さん (MBA deputy director and director of admission) のプレゼンを聴講し、名刺交換させてもらい、その後何度かメールを交換しました。 今にして思えばこれが私の合格可能性を上げることに効果があったような気がしますが、実際のところはわかりません。また 2007年に入ってから A先生の紹介で 2006年入学の先輩 Kさんに問い合わせをさせていただきました。 さらには先輩方による Judge 日本向けサイト(このサイトのことです。)を通した問い合わせの形でインタビューの直前まで 2006年の先輩の方々に質問させていただきました。 Kさんをはじめ皆様に感謝しています。
今にして思うとこのような自分のアクションは遅めでぎりぎりのタイミングだったかもしれないので、より早いアクションを取るべきだったと思っています。
■インタビュー内容
私の場合は 2007年の2月後半から3月初めにかけて出願用書類を提出し、書類を全て届けた数日後にインタビューのオファーを貰いました。 Judge の場合はキャンパスでのインタビューが強く勧められており、だいたい月に1回のペースでアプリカントをまとめてインタビューを行なう日が設定されます。 私の場合は4月のインタビュー日にエントリーさせてもらいました。
当日集合後インタビューの時間帯を教えられ、私の場合は全体向けイントロダクションのあとすぐにインタビューとなりました。 インタビュアーは Financial Accounting(つまり、私のバックグラウンドとほとんど関係無し。)を専門とされる教授1人で、とてもフレンドリーかつ会話的な雰囲気で進められました。 内容としては career plan や why Judge といったことを含みましたが、質問されて答えるというよりも会話の中でそういったことを確認されたという感じです。
また、私の場合は算数的な問題や突飛な質問も無かったと思います。 失敗したこととして覚えているのは「日本で外資の職場で働くのと日本資本の職場で働くことにどんな違いがあるの?」という質問があった際、「もちろん多数ある」と話し始めたものの良い具体例が浮かばず、しどろもどろになってしまったことです。(この状況でも「日本資本の職場で働いたことがないのだから君にとって説明しにくい話題だったね」と教授のほうからフォローしてくれるほど、フレンドリーな雰囲気ではありましたが。) 日本で働くエンジニアとして持っている問題意識などはそれなりに伝えられたと思うのですが、より一般的な質問を受け、話題を絞って的確に自分の伝えたいことを語れなかったし、そのような準備が出来ていませんでした。
最後に自分からも2・3の質問を行なう形で Judge とのフィットや自分の興味をアピールし、30分強でインタビューは終わりました。
インタビュー日は他のアプリカントや在校生と交流する機会が多くあり、さらには Walking Tour of Cambridge にも連れていってもらえるなど、Judge の魅力がアプリカントに大いに伝わるものでした。 これはインタビューのオファーを出す時点でかなりアプリカントの絞込みを行なっていることとも関係があると思われます。 自分の感覚としてはこの日の参加者の8割ぐらいは合格しているように思いますし、Simon さんも同様なことを説明していたように思います。
私の場合は当日の夕方には email で offer をいただき、そのまま安心して日本人在校生の方々とパブ(Crick and Watson が DNA の2重螺旋構造を発見したと初めて人々に発表したお店)で楽しくお話をすることが出来ました。
以上ですがご質問等いただければ私の経験の範囲内でより詳しいことをお伝えしたいと思います。多くの方々に Judge Business School, University of Cambridge に興味を持っていただければ幸いです。

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