合格体験記 ( 2010 Y.K )

【入学年度】 2010年
【年齢】 36歳
【職歴】 ニューヨークの広告代理店に8年、2005年から日本支社にクリエーティブディレクターとして出向。
【私費/派遣】 私費(ローン+奨学金)
【最終学歴】 Marymount University(米)、Bachelor of Arts
【国外経験】 グアテマラ生まれ&育ち(高校まで)→大学から13年間アメリカ。(日本での生活は2005-2010の5年間のみ)。
【Why MBA】
いつの頃からかお得意が抱える「問題/課題」の内容が変化し、広告が提供できる今まで通りのマーケティング重視の提案にかげりが出てきたと感じ始めていました。 そんな中 お得意の問題によりプロセスの上流から関わり最終デリバリーに反映させるといった経営視点からの抜本的な解決策を提供出来るようになりたくMBA進学を真剣に考えるようになりました。
また長期的にはガラパゴス化している日本の広告業界の国際化に何らかの形で貢献するためにジェネラルマネージメントの知識が必要だと感じたこともMBAを目指した理由です。
【Why Cambridge】
以下の点を考慮しケンブリッジのMBAに進学を決めました:
1. ヨーロッパのMBA。 [米]と[亜]生活は体験済みだったのでそれに[欧]を追加したかったから。
2. アカデミックな大学のMBA。 ビジネス以外の「学び」「人脈」も大切だと考えたから。
3. 一年プログラム。 私費であることや年齢的な事情で短期留学の方が有意義だと考えたから。
4. 金銭的サポート。 他校と比べ奨学金制度だけでなく金融機関からのローン制度も充実していることが重要だったから。
7. ブランド力。 ブランドに関る仕事柄 ブランド力が強い伝統的な大学に強い魅力を感じたから。
8. 広告代理店との関係。 イギリスの大手広告代理店の社長が大学の「CEO in Residence」であるだけでなく業界関係者が受け持つ授業のコマがあることが自分のMBAの趣旨と重なるように思えたから。
9.マネージメント・エントレ重視: 国際社会でマネージメントをすることや新事業を始めることの理解を深めたかったから。
【TOEFL対策】 米国大学卒業のため、必要ありませんでした。
【GMAT対策】 もともと美術畑の右脳型人間であるだけでなく 学生時代も勉強そっちのけで制作活動に没頭していたので まずは長時間勉強机に向かうことや集中力を持続することすら大変でした。また高校まで中米で育ったため義務教育にも偏りがあり 算数はもとより英文法などを基本から勉強し直さないといけない事が多く、本当に苦労しました。
受験は3年越しで計8回。460点から始まり最終的には670点で提出。700点も出せずにGMATについて語るのは気がひけるのですが、逆に210点も点数を伸ばした人も珍しいらしいので思い当たることを書かせていただきます。
まず、GMATは力ずくで制覇できるテストではないと思います。個人差もあると思いますが、問題の意図も理解出来ないままOfficial Guide(OG)などをただただガムシャラに解く勉強方法は貴重な公式教材を無駄遣いしてしまう可能性すらあります。まずmba.comから無料で配布されているGMAT・Prepソフトで自分の実力を把握し 必要に応じて予備校や市販の教材などで弱点を克服してから問題集をやり込む事をお勧めします。
それから「GMAT日記」をつくり その日学んだことや反省点を書き込み、次の日通勤時などで復習することも驚くほど効果的でした。
・Quantitative:
日本の予備校の殆どが(当たり前ですが)日本で教育を受けた人を対象としているので、数学を重点的に教えてくれるところが少なく、長年アメリカの文系教育を受けた身としては自力で克服しないといけない部分が多くありました。いそんな中、定評のあるManhattan GMATシリーズやEZ Solutionsシリーズなど数多くの市販の教材で勉強しましたが、とりわけJeff SackmanというNYのGMATインストラクターがネット販売している「GMAT Math Bible」という教材が一番GMAT数学の基本を理解するうえで有効的だったと感じます(http://www.totalgmatmath.com/)。Jeff SackmanのブロクはGMAT全般のことも詳しく書かれており本当に「目うろこ」でした。
・Verbal:
海外生活が長かったということもありVerbalセクションは留学経験の全く無い日本人の受験生よりはよりは苦労せずに点数が出せたと思います。しかし「海外生活」といっても私はスペイン語圏で育っており、またGMAT自体が元々英語圏の人間を対象としたテストということもあり 英語が多少出来たとて「楽勝」という訳ではありませんでした。特に「数学で点数を取って英語で逃げる」という戦略をとる日本の予備校はCRやRCにあまり比重を置かないので、数学の出来に期待できない私としては他の方法でCRやRCも総合的に底上げをする必要に迫られました。途中 点数が伸び悩んだときなどは予備校に通う為だけに数ヶ月渡米することも考えましたが、偶然にKnewton.comというアメリカのオンライン予備校が存在することを知り それを日本の予備校と平行して受講することによってCRやRC、数学などの科目の穴埋めをすることが可能になり本当に助かりました。オンライン教育の可能性と未来を垣間見た気持ちです。
{SC}:ストラクチャーの理解がキーだと感じます。これが分かってから点数が伸び始めました。文章を頭から理解しようとしたり下線部の細部に捉われたりせず 大まかに「何が、どうしたのか」を把握します。この際、名詞(何が)からでなく主になる動詞(どうした)からストラクチャーの糸口を掴む方法が一番やりやすかったことを記憶しています。ストラクチャーが見分けられるようになると 出題者が限られたGMAT文法のルール内でどのように問題を複雑にしようとしているのかが見えるようになり手品のタネが分かったようでSCが楽しくなります。またSCの問題には大体エラーが複数存在するので勉強する段階で「なぜ正解の答えが正しいのか」でなく「なぜ不正解の選択肢が駄目なのか」を理解し必ず全てのエラーを発見できたか確認しながら進めることが重要です。イディオムなどの暗記物はアメリカ人の友人に例文を録音してもらいそれをi-podで毎朝ジョギング時に繰り返し聞き潜在意識に叩き込みました。
{CR}:私は映像や文章で人の想像力や感情に訴えかける仕事をしているので、ロジックを厳しく追及するCRは終始苦手意識が抜けませんでした。またロジック問題は自分の考え方を根本的に変えないといけないところがあり 錆付いた思考回路を柔軟にすることに苦労しました。しかし自分の仕事する広告業界がいかにいい加減なロジックでコミュニケーションをしているか思い知らされる機会でもあったので、ある意味一番役に立った試験勉強だったかもしれません。 参考になった考え方: ①結論の言葉の一つ一つの前提が何であるか考えながら読むこと。②パラグラフ内の各センテンスの役割と相対関係を把握すること(特にボールドフェース問題系の難問)。③問題の趣旨が完全に理解できるまであせって選択肢に進まないこと(まことしやかな引っ掛けが多い!)。④問題になれる。
{RC}GMAT受験の後半戦で特に伸びたのがRCでした。毎日時間的プレッシャーの中で強制的に英文を読んだことにより集中力と速読能力が高まったことがあったと思うのですが、SCと同様でRCもストラクチャー(文章構成)の理解が非常に大切だと気付いたことが大きかったと思います。パッセージの構成が把握できると文章の内容が予測でき 本文を「読む」のでなく予想像と照らし合わせながらキーワードを拾って「確認する」という方法で文の趣旨が驚くほど早く理解できるようになったと感じたからです。また、パッセージ内には大低複雑な部分があり本文を完全に理解したつもりでも選択肢の絶妙な引っ掛け問題にやられることがあるので質問を読んで後から必ずパッセージに戻って細かく読み直すようにしていました。このときもストラクチャーを理解があればどこに戻ればいいのかの「道しるべ」になるわけです。OGのパッセージは限りがあるのでアメリカのサイエンス系のサイトや雑誌の記事のPDFをダウンロードしPCの画面で読んで練習しました。
【エッセイ対策】
MBAのエッセイを書くことは、現在の自分と、希望のMBAと、自分の夢とがいかに一本のベクトル上にあるのかを明確化し表現する作業です。そのため自己の客観的なエバリュエーションに専門家のアドバイスが必要かと考えましたが、自分がクリエーターという自負もあり形にはまったエッセイを提出したくなかったのでカウンセラーはあえてつけませんでした。またMBAエッセイ関連の著書は確かに考え方を知る上では参考になりましたが、友人や先輩方のMBA出願エッセイが(自分がその人たちを知っているだけに)一番役に立ちました。英語のチェックと編集、他校への使いまわしのサポートはMatthew Eldridgeさんにお世話になりましたhttp://www5.kcn.ne.jp/~aldridge/。魔法のような編集作業は正直、圧巻です。
エッセイを書く際に特に気遣った点を書き記します:
・ Impact: 外面的(Background、Achievement)でも、内面的(価値観、人間力)でもMBA審査官の心を動かせるような強烈な訴えかけが出来ているか。
・3D: 自分の全ての側面を言えているか。(Social、Professional、Personalなど)。
・Don’t tell, Show: 「To see is to believe」なので、言葉で言うのでなく具体的なエピソードを通じて自分を描写できているか。
・Essence of success: 「何をしてきたのか」でなく「自分の中の何がそうさせたのか」が重要。より大きなSuccessの要素が備わっていることが文章を通じて表現できているか。
・Pattern of success: 勝ち癖があるか。負けから学び勝ちにつなげる力量があるか。
・Consistency of Tone: 「クリエーターです」と書いておきながら文章がクリエーティブでない、と言うような事が無いように。
・Consistency of Content: 「Failureエッセイ」などに書かれている自分の弱点が、他の所で自分の強さと断言しているところを結果的に否定することになっていないか。
・Differentiation: 「経験値」の多さだけでなく「視点」のユニークさでも。
【推薦状対策】
推薦状は直属の上司(外国人役員)をはじめ、お世話になっているお得意、違う部署の上司達にお願いしました。推薦状ではエッセイで十分に言えなかった事や もっと強調したかったことの補修をしたかったので、事前にそれぞれのレコメンダーにメールで書いて欲しいことの概要を送りました。その際 形容詞で、でなく一緒にやった仕事の具体例などを通じて自分の様々な側面がハイライトされるよう工夫して頂きました。 
【インタビュー対策】
これもMatthew Eldridgeさんにお世話になりました。エッセイのエッセンスをElevator Pitchと呼ばれる2分くらいのスピーチに集約し、それをストックに基本的な質問に何処からでも語れるように練習しました。心がけたことは、詳細に拘るより印象的な回答をすること。
【メッセージ】
「自分のやりたい事はMBAに行ってから探そう」と漠然と考えていたのでは説得力あるアピールは出来ないと思います。そういう意味で出願準備は自分探しにほかなりませんし、MBAの勉強は出願準備の時点からすでに始まっているとも言えるかもしれません。十分な時間を費やし自分をシッカリ見つめなおしてください。

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